ママは歯科衛生士

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ようこそ。あなたの知らない歯の世界へ

ホリエモン著「むだ死にしない技術」を歯科衛生士のわたしが読んでみた。検証と感想。

 

こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。

 

 

今回は、いつもなにかと話題のホリエモンこと堀江貴文さんが書いた、なにかと話題の本「むだ死にしない技術」について、歯科衛生士目線で感想を書いてみたいと思います。

 

 

なぜ「歯科衛生士目線」なんてわざわざ書いているのか。

まずはこの本の目次をご覧ください。

 

  • はじめに:いま僕が「医療」を変える理由
  • 序章:あなたは、むだ死にするかもしれない。
  • 1章:むだ死にしたくなければ、ピロリ菌に気をつけろ。
  • 2章:むだ死にしたくなければ、リスクを恐れるな。
  • 3章:むだ死にしたくなければ、「忙しい」を言い訳にするな。
  • 4章:むだ死にしたくなければ、歯医者に行け。
  • 5章:むだ死にしたくなければ、QOLを意識しろ。
  • 終章:これからの生存戦略と医療
  • おわりに:もう早死にするわけにはいかない、僕の健康法。

 

そうなんです。

4章の「むだ死にしたくなければ、歯医者に行け。」の部分に反応してしまったからなんです^^

 

 

もともとホリエモンさんはツイッターや過去の発言などでも、歯の重要性、正確には「歯が健康であることの重要性」についてたびたび触れられています。

そんなこんなで堀江さんに対してはアンテナを張っていたのですが、今回「予防医療」についての本を出したということで、気になって買って読んでみました。

 

 

4章「むだ死にしたくなければ、歯医者に行け」で書かれている内容について、どんな内容がかかれていて、それは正しいのかどうか、まとめてみたいと思います。

 

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歯周病でむだ死にしない技術 

 

堀江さん歯に対する基本的なスタンスは、このツイートに集約されています。

 

 

虫歯よりも歯周病に気をつけろ、というスタンスですね。

今回の本の中でも、触れられているのはほとんどが「歯周病」についてで、虫歯についてはおおきく取り上げられていません。

 

 

歯科衛生士のわたしとしては、虫歯にはなってもかまわない、なんて言えませんし思いませんが、虫歯と歯周病の違いでいえば

虫歯は進行すると痛みがでてくるけど、歯周病は痛まずひそかに進行する。

という特徴は、ポイントになると思っています。

 

 

つまり、虫歯は初期の時点で気づき歯医者に行けば、最悪の事態(=歯を失うこと)は避けられるけれど、歯周病は痛みがないため放置してしまうことが多く、気がついたときには歯を失うところまで進行している、という状態は多々あるからです。

 

 

そういうわけで、この本(の4章)の中では「日本人成人の約8割は歯周病にかかっている」という事実を前提に、歯周病予防の大切さを説いています。

 

 

歯磨きだけでは歯周病予防は無理 

またホリエモンさんは、歯周病菌の性質(酸素を嫌うため、歯周ポケットの奥深くに潜んでいる)を示し、どんな毛先の細い歯ブラシでもかきだすことは不可能だから、

年に2回は歯科医に総チェックをしてもらい、歯垢や歯石は除去してもらうべきと主張しています。

 

 

さらに「フロス or ダイ(死)」という刺激的な言葉をつかってデンタルフロスの必要性にもふれています。

(この「フロス or ダイ」はアメリカでは子どもたちが食事を終えると、必ずデンタルフロスでマウスケアをさせる、という習慣を表した言葉です。それほどデンタルフロスの重要性が認識されているということなんですねぇ。スバラシイ。。)

 

 

これらのホリエモンさんの主張は、正しいと思います。

 

 

歯についた汚れ(プラーク)の除去率は、歯ブラシだけの場合60%なのに対し、歯ブラシとデンタルフロスを併用した場合は80%にまであがる、というデータもあります。

 

 

こういった大切な習慣については、わたしたち医療関係者がいくら声をおおきく主張してもなかなか多くの方の心に届くことって少ないのですが(とほほ…)、

ホリエモンさんのような影響力のある方が「自分もやっている」ということで発信することで、たくさんの方の意識を変えることができますね。

 

 

偏見や独りよがりな意見であれば困りものですが、「定期的な歯科医のチェックの必要性」や「デンタルフロスの重要性」などは間違いなく正しい情報ですので、この本をきっかけにすこしでも多くの方が影響を受けてくれればいいなあ、と思います。

 

 

これ以外にも…

糖尿病と歯周病の関係」や「糖質がいかに歯にとって悪いものか」「唾液の重要性」などの内容を、ホリエモンさん独特の歯切れのいい文体で説明しています。

どれも真っ当で、正しい主張だと思います。

 

 

ただし、1つだけ、これはどうだろう??と感じる部分もありました。

 

 

パーフェクトペリオ

それは、この「パーフェクトペリオ」という機能水を推奨している部分です。

 

パーフェクトペリオとは何か? 導入されている歯科医院のHPではこう説明されています。

パーフェクトペリオは、2005年に開発された、口の中の虫歯菌や歯周病菌を10秒間うがいすることにより、ほぼ完全に殺菌することが出来る次亜塩素酸電解水です。

次亜塩素酸電解水パーフェクトペリオは、体への影響がほとんど無い状態で、歯周病菌や虫歯菌を破裂させて溶かす(溶菌)効果があります。

 

数年前、わたしの職場まわりでもチラホラこのパーフェクトペリオについて話題になったことがあったのですが、

まだ人体を使っての検証などが不十分であったり、「歯周病が治る!」とか「歯周病にならない!」など謳い文句がキャッチーすぎるなどの点が問題となり、今ではあまりその話も聞かなくなっているというのが現状なのです。

 

 

さらに当時、テレビなどのメディアで紹介されるなど期待が過熱していた状況を心配してか、日本歯周病学会がこんな見解を出すまでになりました。

http://www.perio.jp/file/about_perfect_perio.pdf

 

 

ホリエモンさんのこの本「むだ死にしない技術」の4章については、ほとんどがエビデンスのしっかりした、正しい情報が書かれているだけに、このパーフェクトペリオについては、なぜわざわざ紹介しようとしたのか、正直理解に苦しむ部分です。

 

 

まとめ

今回は、ホリエモンこと堀江貴文さんの「むだ死にしない技術」について、歯科衛生士の目線で紹介しました。

 

とはいえ、冒頭でお話したとおりこの本は歯科についてのみ書かれた本ではなく、他の章では「ピロリ菌除去」や「ワクチン接種の適否」「がん診断」「レーシック」などの幅広い切り口で健康、予防医療について書かれています。

 

 

歯科分野以外ではわたしも初めて知ったことなども多く、内容にはとても満足しています。

ですが、4章の歯科分野での「パーフェクトペリオ」の部分を読む限りでは、その分野の専門家の方が読むと先進的すぎる部分ももしかしたらあるのかもしれないなぁ、と個人的には感じたりもしました。

 

 

とはいえ、基本的な思想「日本人は病気の予防にもっとお金と意識を使った方がいい」という主張には大賛成ですし、そういった知識を一冊でまるっと得ることができるこの本は、読んで損はないと思います。