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こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
先日、私の働く歯科医院にある患者さんが来院されました。
30代の男性で、自動車会社の営業のお仕事をされている方です。
その方は前歯が虫歯になってしまい、
最終的には差し歯を入れて、治療を完成させる必要がある患者さんでした。
その日はいよいよ最終的な白い歯が完成し、晴れて治療が終了する予定の日でした。
わたしは先生に
先週の仮歯はずしといてー
と言われたので、さっそく作業に取りかかりました。
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説明しよう!
「仮歯」とは、
治療期間の途中に、つぎの治療の日まで臨時に入れておくかんたんな入れ歯のことです。
主に以下の目的があります。
- 外部の刺激から歯を守る
- 見た目を保つ(どんなイケメンも前歯がないと…残念!)
- 歯が移動するのを防ぐ(歯ってけっこう動くんですよ。動いちゃうとせっかく型取りした歯が入らなくなってしまうこともあるんです。)
- 発音のため(前歯1本ないだけで、サ行・タ行なんかは発音しにくくなります。)
- 食事をするため
わたしはその患者さんに
「ちょっとコンコンと響きますよ〜」と言いながら
リムーバーという器具で、前歯についている仮歯を外そうとしました。
私「ん??」
と、とれない……
私「ゴメンナサイ、もうちょっとがんばってくださいね」
ふたたびトントン。。
やっぱりとれない。。。(汗)
(ナゼだ!? なんでこんなに固くついてるんだろう??)
と不思議に思ったその時、患者さんが口を開きました。
患者さん「あのぅ、日曜日の仕事前に(仮歯が)とれちゃったんで、ボンドでつけたんですょー(笑)」
私「え”!? ボンド??」
患者さん「なんか、『水にも強い』みたいなやつが家にあったんで。(ニコニコ)」
私「つけちゃったんですね。ボンドで」(あー、これはアカンやつやー。。。)
とりあえず、その患者さんにはうがいしておいてもらって、わたしは急いで先生のところへ行って報告。
先生はガックリ。。
先生「えっと、、ボンドとかでつけちゃうと、とれなくなるんです。
そうすると、仮歯を削って除去することになりますから、前回と型が変わっちゃうんですよ。
なので、またもう一回型取りもしなきゃいけないんです。。」
患者さん「そうなんですか…(泣)」
ということがありました。
いえ、わかります。
わかるんですよ。
日曜日に営業のお仕事で、でも家出る前に仮歯外れちゃって、でも歯医者は休みだし…とりあえずボンドで!
って流れ。
わかるんですけど、絶対やっちゃダメなんですよ〜〜><
もう一度土台の型取りから始めなきゃいけなくなって、前回の治療がまったくゼロの状態に戻ってしまうんです。
時間もお金もムダになっちゃいます。
わたしは仮歯を入れる方には、これからは必ず
「もしとれても、絶対にボンドとかでつけないでくださいね☆」と言い添えることに決めました^^
仮歯がとれた時の対処法
ということで、前置きが長くなりましたが、仮歯が外れたときの対処方法をお話します。よくあるパターンごとにわけて説明しますね。
仮歯が壊れてしまった
神経をとっている歯で痛みもなく、次回の歯医者まで2,3日くらいならそのままでもOKです。
もし、次の診療まで4日以上空いてしまう場合は
その間に歯が動いてしまうことがあるのでまず歯医者さんに電話して、通院してください。
ただし、前者の場合でも「痛みがある」「(前歯だったりして)見た目が気になる」なんていう場合は歯医者に行ってください。
で、その際忘れてはいけないのはとれた歯は必ずもっていくということです。たとえ割れていても、もってきてください。
なぜか?
その仮歯を再利用できるからです。たとえ割れていても、あなたの型に合わせて作った仮歯ですから、イチから作るより時間が短縮できるんです。
取れた仮歯をもっていくだけでその日の治療時間は20〜30分は短縮できます。
仮歯が外れちゃった
壊れたんじゃなくて、形はそのままで外れちゃった場合です。
これは形はそのままだからって、口に戻してつけなおそうとしないでください。なぜなら、再びはずれて、食べ物と一緒に飲み込んでしまう可能性があるからです。
それから、絶対に接着剤ではつけないでください!(ここまで読んでくれてる方はもう大丈夫ですよね^^;)
なぜか?
くりかえしになりますが、仮歯がとれなくなり、土台から削りなおしてまた型取りや仮歯を作ったりで、お金も時間もムダになってしまうからです。
仮歯を飲み込んじゃった
ほとんどウ○チで出てしまいます。
でも、のどに違和感があるなど心配な場合は内科へいってください。
仮歯が外れて歯医者に行かなきゃいけないんだけど、時間がない!そんな時は…
じつは、入れ歯安定剤がつかえるんですよ!
以下に使い方の手順を書いておきます。
- 外れた仮歯を流水できれいに洗います。
- 仮歯の中についている弱い接着剤をつまようじなどで取る。(無理に力を入れて取ったり、ピカピカになるまできれいに取り除く必要はありません)
- 乾かす
- 仮歯の1/3ぐらいの量の入れ歯安定剤をいれ、つまようじでまんべんなくのばす。(量が多すぎるとベタベタになって作業がしづらいので少量でOK)
- 仮歯の表面をティッシュでふきとり、仮歯をはめる。
- 丸めたティッシュを、かるくその歯で1分程度かむ。
どうしても時間がない方は、これで次回の診察まで持ちこたえさせることはできます^^
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さいごに大事なこと
仮歯はあくまで仮の歯なので、次の診察まではとれない程度の強さではめているものです。
なのでおもちとかキャラメルとか、歯が取れやすそうな食べ物は控えてくださいね。
あと、たまにいらっしゃるのですが、
型取りをして(仮歯とはいえ)いちおう普段の生活には支障がない状態にはなるので、めんどくさくなっちゃうのか、
その後仕上げの歯を入れに来なくなっちゃう患者さんがいます。
仮歯は適合が良くないため、そのままにしておくと土台にある大切なご自分の歯がとても虫歯になりやすいです。
最後まで気を抜かず、治療を終えましょう!
歯は毎日のケアがいちばん大切です (^^)
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