白い歯は正義!自宅でホワイトニング

仕事をやめようと決心した朝のこと

 

こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。

 

今日、ひさしぶりにラッシュ時の電車に乗ることがあって、ある出来事を思い出したので今回はその出来事について書いてみたいと思います。

 

わたしは25歳のとき、歯科衛生士の専門学校に入りました。

まわりの人より遅めのスタートで不安もありましたが、だからこそ、専門学校時代はそれまでの人生の中でもいちばん勉強した時期だったと思います。

 

無事国家試験に受かり、最初の就職先が決まったのは27歳のころです。

いよいよ歯科衛生士として働くことができる!

しかも働くことになった歯科医院は、最新の機械がそろったとてもキレイな医院で、働いている先輩もみなさんキラキラして見えました。

憧れ、わくわく、夢…そんな言葉がぴったりな気持ちをかかえて働きはじめた自分を、いまでもよく覚えています。

 

夢いっぱいで働きはじめたけれど…

いま思えば、毎日つらいことばかりだったなぁ、、と思います。

(その当時は、「いまがんばらなくていつがんばる?!」「今でしょ!」みたいな感じで、ほんとうの自分の心と向き合えていませんでした。。)

 

どんなふうに辛かったかというと…

その歯科医院の先生はとても気分屋で、患者さんに対しても自分の好き嫌いの感情で治療内容を決めたりすることが多くありました。

 

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たとえば、ある高齢の男性患者さんは入れ歯の治療を保険内治療でやってもらいたかったようなのですが、それを受け付けず「自費しかやりませんから」ということで別の病院に行ってもらったり(その男性の診察室を出て行く後ろ姿は、忘れられません。)

 

患者さんに対してだけでなく、特定のスタッフに対しても理不尽にあたるということがよくありました。

 

わたし自身のことでは、上手に型取りができたにも関わらず、なにかしゃくに障ることがあったのか「そんなんじゃだめだ」ということでもう一度型取りをさせられたり、などは日常茶飯事でした。

(今なら「ドコがダメなんですか? 改善したいので教えてください」なんていって食い下がれるくらいには図々しくなれた、かな?^^)

 

そのほか、先生や医院全体の価値観みたいなものにも疑問を感じることも多かったのですが、ただ、歯科医としての腕はとてもいいので、衛生士としては勉強になることも多いし、、ということで、毎日つらいながらも勤めていました。

 

そんな毎日の中で、自分自身の心も荒んでいっていたのだと思います。

 

ある日の朝

いつものように出勤するために電車にのりました。

 

改札を出ようと歩いて行くと、同じ改札機をはさんで向こう側から女子高校生が歩いてきました。

 

朝のラッシュ時に改札機を使ったことのある方ならわかると思うのですが、1台の改札機をはさんで両側から人が来た場合、一瞬でも早く改札機に切符を入れる(かICカードをタッチする)方が改札を抜けることができます。

ということは、遅れた方のひとは、先に切符を入れたひとが改札を抜けるまで待っていなければいけません。時間のロスが発生するということです。

 

(このまま歩いていくと、ふたりとも同じ改札機をとおらなきゃいけないな。)

 

(あ、向こうもそれに気付いた。)

 

女子高生が一歩進む。

わたしも一歩歩く。

 

改札機をはさんで二人の距離はどんどん近づいていきます。

 

そしてふたりがそれぞれ改札に近づいた瞬間、わたしはさりげなく、大きく一歩を踏み込んで、自分が先に通ってやるという意思をもって手を改札に伸ばしていました。

 

(よしっ、わたしの勝ちだ)

 

あくまでも意識なんてしてないってふりをして、わたしは改札の向こう側に目をやりました。

 

 

その瞬間のことを、私は一生忘れません。

 

 

わたしがそしらぬ顔で、でも小走りで必死に手を伸ばしていたその瞬間、その女子高生は歩くスピードをゆるめ、当然のようにわたしに改札を譲るために立ち止まってくれていたのです。

 

……。

 

わたしは前を向いたまま改札を抜けました。

わたしを待ってくれている女子高生の前をとおって。

 

 

……。

 

情けなかったです。

自分を恥ずかしいと、本気で思いました。

 

そして、

「あぁ、仕事やめよう」

って思いました。 

 

もちろん、そんなふうに余裕のない自分のことを全部仕事のせいにしてはいけないと思います。

でもあの瞬間、わたしは仕事をやめなきゃだめだ、そう思ったんです。

 

 

***************

 

 

今日、ひさしぶりにラッシュの電車に乗って、この出来事を思い出しました。

正直、思い出すと今でも胸が苦しくなります。

 

それはつらかった仕事のことを思い出すからか、それとも数秒のロスも待てないほどちっちゃな自分を思い出すからか、どちらなのかはわかりません。

 

どちらだとしても、もうあんなふうに自分を殺して働きたくないし、あんなイライラ、ギスギスした自分に戻りたくもないことだけはたしかです。

 

そしていま、あのころよりは余裕を持って、いろいろあるけど楽しく生きていけている環境にあらためて感謝しよう、そんなふうに思いました。

 

 

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