こころが軽くなる言葉があります。
タイトルの「いま君に必要なのは薬じゃなくて、ダンスだ!」もわたしにとってそんな言葉のひとつです。
これはなにかの本で読んだ言葉だとおもうのですが、肝心の本の名前などの情報は一切忘れてしまいました…。ですがこの一文だけ、妙にこころを捉えて離さず、いまもふとした時に思い出します。
たしか南米あたりに旅をした方が現地で病気になって病院に行ったら、そこのお医者さんにこう言われてラテンの洗礼を受けた(笑)、というような内容だったとおもいます。
なんか、ステキじゃありませんか?
恰幅(かっぷく)がよくて、どこかテキトーだけど瞳にはキラキラした光が宿ってて人生をたのしんでいる…そんな浅黒い南米のお医者さん像がありありと目に浮かびます^^
もちろん、すべての病気やケガに薬なんて必要ないとか言いたいわけではありません。
ただ個人的にたいへんなことがあった時やつらい時期、人にされて本当にうれしい態度って深刻になぐさめられることばかりじゃなく、明るく笑い飛ばしてもらえることだったりもするとおもうんです。
よく言われることかもしれませんが
たとえば道で何かにつまずいて転んだとき、男同士であればそれを見て「ハハハッ」とわらって済ませるのに対し、女性の場合は「大丈夫??」「ケガしてない??」など、相手のためのようなことばをかける、、ってコトたしかにありそうですよね。
わたしは女ですが、たまに男性同士のそういう「笑い飛ばす関係性」を見てうらやましくなったりします。
一度だけ、こんな経験をしたことがあります。
中学生の頃、体育大会でリレーの選手に選ばれました。4✕100メートルのリレーです。わたしは第3走者でした。
当日2番手でバトンを受け取ったわたしは必死に走り、50メートルを走ったあたりで前を走る生徒を抜いて1位になりました。が、そのあとアンカーにバトンを渡す10メートルほど前で「バチンっ」という音とともに走れなくなりました。(その後のことはあまり覚えていませんが、片足でけんけんしながらアンカーまではなんとかバトンを渡したらしいです。もちろん最下位で……)
剥離(はくり)骨折でした。
入院することになりました。さらに悲しいことに、その2週間後に控えていた修学旅行にも行けなくなってしまったんです。
親や友だちの前では平気を装っていたある日、入院していた病室にある男性が訪ねてきてくれました。父の会社の同僚でした。(会社のお花見などで何度かお会いしたこともあり、顔見知りの方です。)
その方は入ってきて見舞い品を手渡すなり、明るく言い放ちました。
「アハハ! 残念だったねえ〜。でもいいことあるから。こういうのって順番だから。次はいいことあるヨッ。じゃあね〜」
一瞬の嵐みたいな感じでその人が去ったあと、なぜか涙が出ました。
自分でも理由はわかりませんでしたが、いままで我慢していた気持ちが解放されたような気持ちがしたんです。
ふしぎな経験でした。
でも、そういうやさしさもあるんだってことを初めて知りました。
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それ以来、ほんとの「やさしさ」ってなんだろう、なんてたまに考えるようになりましたが、答えはいまだにでてません。
ひとつ言えることは、どんなに自分が相手のことを思ってやさしく接しても、相手がそれをうれしく思ってくれるかどうかはまったくの別問題だということです。
だから「こう接することが大切だ」という話ではありません。ただただ、それとこれとは「別問題」だ、ということです。なんとなく、この事実はわすれちゃいけないことのような気がしています。
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今度わたしが働く歯科医院になにかに困って相談に来られた患者さんがいたら、言ってみようかな。
「今あなたに必要なのは治療じゃなくて、ダンスです」
……へたしたらクビになるかもしれません。。
【ご一緒にどうぞ】