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こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
キシリトールガムは、歯にとってもいい
なんとなく一度は耳にしたことがある方は多いかもしれません。
でもどんな理由で歯にいいのか、どのキシリトールガムでも効果は同じなのか、くわしく理解している方は意外と少ないのではないかな…と思います。
そこで今回は、
- キシリトールが歯にいいとされる理由
- おすすめのキシリトールガム
- 効果的なガムのかみ方
について、くわしくお話ししたいと思います。
目次
キシリトールとは
白樺(しらかば)や樫(かし)の木などからとれる天然の甘味料です。
じつは、白樺や樫の木以外にもキシリトールを含む食べものはいつくかあるのですが(いちご、カリフラワー、ラズベリーなど)
虫歯の予防に効果があるとされている量(1日あたり約5〜10グラム)をとるには、
一度にとてもたくさんの量を食べなくてはならず、現実的ではないんです。
ですので、キシリトールガムなどを活用することが効果的なのです。
キシリトールガムが虫歯にならない理由
なぜキシリトールガムが虫歯予防に効果があるとされているのでしょうか。
その理由を理解するためには、虫歯になるしくみを知っておくと分かりやすいですので、まずは虫歯になるメカニズムを簡単にまとめてみますね。
虫歯発生のメカニズム
- 口の中にいる無数の細菌が
- 甘いものを栄養として
- 酸を出し
- 歯を溶かす(=この溶けた歯のことを虫歯といいます)
歯はこのメカニズムで虫歯になります。
ということは、キシリトールはこのメカニズムのどこかで、通常の甘いものにはない働きをするということです。
それはどの段階でしょうか。
結論から言うと、3の「酸を出し」の部分です。
キシリトールは砂糖と同じくらいの甘みがあるのですが、
他の甘いものと違って、口の中で酸を作らないんです。
いっさい酸を出しませんから、さきほどのメカニズムでいう「4.歯を溶かす」にまですすむことがありません。
これがキシリトールが虫歯の原因にならない理由です。
ほかにもキシリトールガムにはこんな効果が
そもそも虫歯の原因となる酸を出さないだけでなく、
キシリトールガムをかむことで虫歯になりずらくなる理由は他にもいくつかあるんです。
それぞれ見ていきたいとおもいます。
唾液(だえき)の分泌が活発になる
ガムをかむと唾液が発生します。
みなさんの口の中にあたりまえのようにあるこの「唾液」ですが、じつはとてもスグレモノなんです。
いくつかある働きの中でも虫歯予防にダイレクトに関係するのが以下のふたつです。
- 酸を中和する
- 溶けた歯を修復する(再石灰化)
つまり、キシリトールガムをかむことはそもそも虫歯の原因にならないだけでなく、
ガムを噛むときに出る唾液によって、すでに溶けてしまっている歯を修復もしてくれるということです。
虫歯菌を弱らせる
さきほどの虫歯発生のメカニズムをもう一度ごらんください。
虫歯発生のメカニズム
- 口の中にいる無数の細菌が
- 甘いものを栄養として
- 酸を出し
- 歯を溶かす(=この溶けた歯のことを虫歯といいます)
この中の「1.口の中にいる無数の細菌が」の部分でもキシリトールはすごい働きをするのです。
虫歯の原因となる細菌の主なものは「ミュータンス菌」とよばれる菌なのですが、
キシリトールはこのミュータンス菌自体の活動を弱らせることができるんです。
ざっくり説明しますと
キシリトールは甘いので、ミュータンス菌からすれば
ヨシヨシ、甘いものが来たゾ〜。食べて酸を出してやる〜〜
ってかんじで勢い勇んでキシリトールに群がるのですが、
ところがどっこい、キシリトールはいくら食べても酸がでません。
「あれ?おかしいな。酸が出ないぞ」
なんどもトライするミュータンス菌。でも何度やっても結果は同じです。
で、そのうち疲れてしまってミュータンス菌自体の元気がなくなる…というイメージです^^
歯垢 (プラーク)が歯につきにくくなる
さきほどお話ししたようにミュータンス菌の活動は弱まりました。
そうすると、歯につく歯垢(プラーク)の質も変わってくるのです。
どんなふうに変わるのかというと、本来のネバネバした状態のプラークから、サラサラしたプラークになるんです。
プラークがサラサラになると、歯につきにくくなることに加え、ついても歯ブラシなどではがれやすくなります。
こうして歯磨きの効果があがり、虫歯になりにくくなるということです。
おすすめのキシリトールガム
では、キシリトールガムならどんなものでも効果があるのでしょうか。
答えはNOです。
ここはとても大事なポイントですが、
甘味料として一定割合以上のキシリトールが含まれていないと、はっきり言って効果はないのです。
それはそうですよね。
いくらキシリトールが入っていても、それ以外に普通に酸をつくる甘味料(砂糖など)が入ってしまっていれば、その砂糖のせいで虫歯になるからです。
じつはスーパーやドラッグストアで売っているキシリトールガムは、このキシリトールの含有量が十分でない商品がほとんどなんです。
つまり、
たしかにキシリトールは配合されているけど、一緒に含まれている甘味料のせいで、普通に虫歯になる
ということです。
じゃあどんなキシリトールガムならいいのでしょうか。
それは「甘味料としてキシリトールを100%使用しているもの」です。
なのですが、残念ながらこの「甘味料としてキシリトールを100%使用しているガム」は一般的なお店では売っていません。
いわゆる歯科専売品といわれる商品だからです。
歯科専売品ですのでもちろん歯科医院で買うことができますが、
それ以外でもネットや東急ハンズ、Loftなどでは売られていますので虫歯予防に試してみたいという方はぜひ一度買ってみることをおすすめします。
キシリトール100%ガムは、市販されているキシリトールガムとは全く別物と考えてください。
食べればわかりますが、キシリトール100パーセントガムを噛むことを習慣化すると、
口の中の状態が劇的に変わってくるのが実感できます。
以下のレビューなどをみてもらえばわかる通り、とにかく歯垢がサラサラになって歯につかなくなるんです。
キシリトール100%ガムのかみ方
噛むタイミング
虫歯を予防し、歯の質を強化するためには毎食後(できれば30分以内)の3回はかむことを習慣にするといいでしょう。
また先ほどお話したように、キシリトールは歯垢をサラサラの状態へ変えますので
歯磨き前にかむことで、歯垢が落ちやすくなり歯磨きの効果がより高まります。
さらに唾液の分泌が減る寝る前にかむことも、虫歯予防の点からは有効です。
噛み方
一回に2粒を、一日に3〜4回噛むと効果的です。
(このペースでかむと、虫歯予防に効果的なキシリトールの量5〜10グラムを摂取することができるからです。)
加えて、ガムを噛んでいるときに、ぜひ意識してほしいことがあります。
それはガムを噛んで最初の数分は、唾液を飲み込まず、歯をはじめ口の中に行き渡らせるよう意識していただきたいんです!
唾液を口の中でクチュクチュさせるのが最初は気持ち悪いと感じる方もいるかもしれませんが、
すぐに慣れますので、慣れてしまってください (^^)
なぜガムを噛みはじめてすぐの唾液を飲み込まないのがいいのかというと、
その唾液には、100%キシリトールがたっぷり含まれているからです。
このキシリトールたっぷりの唾液は、歯にとっては最高の薬です。
そして、さらに効果を上げたい方は、ガムの味がしなくなってからも5分〜10分ぐらいの間はかみ続けてください。
かんでる間に出る唾液が、いっそう虫歯予防のために働いてくれます (^^)
「子ども」や「食いしばりの癖」があってガムはちょっと…という方は
顎関節症だったり、歯を食いしばる癖(TCH)がある、または仕事の関係でガムは噛みづらいという方には、
「タブレット」がおすすめです。
タブレットにもキシリトール100%のものが出ていますし、お子さんの虫歯予防にもとても重宝しますよ(^^♪
効果が実感できるまでの期間
残念ながら、キシリトール100%ガムをかんだからと言って、すぐその日に効果が実感できるなんてことはありません。
少なくともさきほど紹介したかみ方(一回に2粒を一日に3〜4回)を2週間ぐらい続けてみてください。
すると、ものを食べても以前より歯垢がたまりにくくなっているのがはっきりと実感できてくると思います。
多くの方が実感するのは、とにかく歯のツルツル感が長続きすると感じるようになることです。
そしてそのまま2ヶ月程度続けていただくと、虫歯になりにくい歯に変わっていきます。
これが実感できるようになると、感動しますよ(*^^*)
まとめ
「なんとなく、キシリトールガムって歯にいいらしい」程度の理解では、じっさいの虫歯予防につながる噛み方はできないことが分かっていただけたのではないでしょうか。
- 歯科専売品であるキシリトール100%のガムを
- 正しいタイミングと
- 正しいかみ方で噛む
この3つを押さえて初めて、虫歯予防につなげることができます。
この正しいかみ方をマスターすると、明らかに口の中がスッキリ・ツルツルしてくるのがわかります。
一度この違いを知ってしまえば、
- ガムを噛む事が習慣になって
- 虫歯にならなくなり
- 唾液の効果とあいまって「口臭」が少なくなる
といった好循環が生まれます。
ぜひ今回紹介したポイントを実践していただき、あなたの大切な歯と末永くお幸せにどうぞ (^^♪
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