ひとは、こころから好きな場所やものがあれば、多くのつらいことは乗り越えられるんじゃないかなぁと思ったりします。
わたしにはいくつかの好きな場所があります。
洗車場もそのうちのひとつです。
洗車場とは、その名のとおり車を洗う場所です。
車を洗うというと、ガソリンスタンドなどの自動洗車機を思い浮かべる方も多いかと思いますが、今わたしが話しているのはその自動洗車機のことではなく、自分の車を自分の手で洗うために用意された場所のことです。
平日の閑散とした洗車場もいいですが、日曜日の夕方の洗車場の空気は特別です。
そこには、土日にデートで、家族づれのドライブで、はたまた一人で静かに自分と向き合うための「ひとりドライブ」で乗った車を洗いにくる大人たちが集います。
洗いにきているのはたいてい男性ひとりで、そのためホースから勢い良く流れる水の音以外に聞こえてくるものはありません。
飛び散る水のマイナスイオン効果なのか、集中して掃除する男性たちの発するオーラのせいなのか、洗車場内にはふしぎな空気があふれています。
ひやっと冷たく、でも心地よい凛とした空間です。
デートで行った楽しかった場所を思い出しながら
遊び疲れて眠る家族を乗せて流した音楽をくちづさみながら
またやってくる月曜日から現実逃避をしながら
車をキレイにみがいています。
あ…言い忘れましたが、我が家に車はありません ^^;
なのですが、ふと心にぽっかりと穴が空いたように感じたときや、次の日が憂鬱に思えてしまう日など、ふらっと近くの洗車場に行くのです。
すると不思議に、身体まるごと癒されるような感覚になれるんです。
場内に置かれた自動販売機でコーンスープを飲んで、車を洗う人たちをなんとなーく見ながらぼーっとします。
そうそう、
初めてこの洗車場に来たときは、こんな(↓)自動販売機があることなんて知らずあやうく買ってしまいそうになったのはいい思い出です。(まぎらわしい!)
ゆっくりとコーンスープを飲み、さいごのコーン一粒まで飲み干すと、空も暗くなり始めます。
そして
しだいに暮れていく陽のなかで、輪郭がぼやけ、すべてのものがシルエットになってしまう頃には、心の底の方に溜まっていた澱(おり)のようなものが、キレイに蒸発して洗われているのです。
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くりかえす毎日のなかで、生活の中に、いかに自分の好きなものや好きな時間を配置していけるかが大切だと感じます。
だれかに説明して共感してもらう必要なんてない。
自分だけが感じる大切な感情や時間を確保できるのは、自分だけです。
わたしにとっては、その方法のひとつが一人で行く洗車場なのだとおもいます。
あなたにはそんな場所や時間はありますか。
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