こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
歯を失う(抜かなくてはいけなくなる)原因にはどんなものがあると思いますか。
なんとなく想像はつくかもしれませんが、ほとんどの原因は「虫歯」「歯周病」です。こちらのグラフをご覧ください。
【抜歯の主原因】
(厚生労働省:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-002.html)
1位は全体の42%を占める歯周病です。
2位は虫歯で32%ですが、じつは11%ある「破折」というのは、物理的に歯をぶつけて折れてしまったというようなケースは少なく、かつて虫歯を患い治療として神経を抜いた歯(無髄歯)と考えられているので、原因の元をただせば「虫歯」と考えることができます。
ちなみに、13%ある「その他」はほとんどが「親知らず」です。
こう見ると、歯を失う原因のほとんどが「虫歯」「歯周病」であることがお分かりいただけると思います。
ひょっとするとあなたは、1本ぐらいなら歯がなくなってもどうってことない、なんて思ったりしていませんか。
とくに若い方であれば、まさか自分が歯を失うなんて想像もしていないかもしれません。
ですが日本人の統計では、
30代後半に平均して1本の歯を失い、それを皮切りにその後45歳くらいからどんどん歯の喪失が増えていき、75歳には半分以上の歯を失っているというのが一般的なのです。
歯は1本も抜かないことが理想ですが、すでに歯を抜いてしまっている方やこれから抜くことが決まっているという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、歯を失ったあとの治療法で代表的な3つ(ブリッジ、入れ歯、インプラント)について説明したいと思います。
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ブリッジ
ブリッジとは、失った歯の前後の歯を削って、失った部分の歯に橋をかけるように歯を補う治療法です。
ブリッジの長所
- 保険での治療が可
- 見た目がまあまあよい(奥歯は銀歯になりますが、前歯は白い被せ物での治療が可能です)
- 違和感がすくなく、噛みやすい
ブリッジの短所
- 前後の健康な歯を削る必要がある
- 前後の歯に負担がかかる
- 掃除がむずかしい
- 一番奥の歯はブリッジにできない
費用
歯の本数にもよりますが、保険適用でおおむね8,000円〜10,000円程度です。
その他
ブリッジの平均使用年数は約7年です。
失った歯の部分を他の歯に(特に前後の歯)に負担させているので、注意しないと7年もたないこともあります。
(負担が大きい前後の歯を抜かなくてはいけなくなることも多かったりします。)
入れ歯
一般的な入れ歯のイメージはこんな感じですよね。
上の図はいわゆる「総入れ歯」というもので、この他に下の図のような「部分入れ歯」があります。
入れ歯の長所
- 保険での治療が可
- 掃除しやすい
- 他の歯を削る必要がない
入れ歯の短所
- 異物感がある(噛みにくい)
- 見た目が気になる
- ものがつまりやすい
- (部分入れ歯の場合)他の歯に負担がかかる
- 入れた後も調節が必要(歯ぐきがやせたりと形が変わるので、快適に使うためには調節が必要です)
費用
部分入れ歯で8,000円〜15,000円程度。
総入れ歯でも10,000円〜15,000円程度です。
その他
入れ歯の素材には、金属アレルギーに考慮したものや異物感を少なくしたもの、見た目を考慮したものなど、いくつかのバリエーションがあります。
インプラント
インプラントとは、失った歯のかわりに人工の歯を「あごの骨」にうえる治療のことです。
インプラントの長所
- 見た目が非常に良い
- 自分の歯のようによく噛める
- 掃除しやすい(慣れるまで練習は必要です)
- 異物感が少ない
- 他の歯を削る必要がない
インプラントの短所
- 保険適用外となる(1本約40万円前後)
- 手術が必要(神経や血管を傷つけ、場合によっては麻痺が残ることもあります。また、術後に腫れや内出血、痛みが出ることがあります。)
- 骨の状態や重度の糖尿病などで、インプラントをできないことがある
- 治療に時間がかかる(3ヶ月ぐらい)
- 成功しないこともある(タバコを吸っていたり、何かの原因で骨に定着しないこともあります)
- メンテナンスが欠かせない
その他
インプラントは近年技術がどんどん発達し、ほんとうにいいものが出てきました。
じょうずな先生も増えてきて、以前より身近な選択肢になったと感じています。
ですがブリッジや入れ歯にくらべると、やはり手術を伴う治療となるわけで、慎重に考えていただきたいと思います。
保険外の治療となりますので、お金儲けを考えている先生も少なからずいるのが現実です。
あなたの健康状態、レントゲン・CTによる骨のチェック、かみ合わせ、治療代など事前にしっかり説明してくれる先生を探してくださいね。
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さいごに
それぞれの治療法の長所と短所について、ご理解いただけたでしょうか。
でもやっぱり、歯は自分の歯が一番です。
いま口の中に残っている歯を、1本でも多く将来に残しておくため、毎日のケアを念入りに!
今日は眠いなぁ…なんて日も、歯みがき+フロス(や歯間ブラシ)はがんばって続けてくださいね ^_^
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