こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
先日、歯ブラシに関するこんなアンケート結果を目にして驚いてしまいました。
20~60代の男女597人に、歯ブラシの交換頻度について尋ねたもので、結果は以下のとおりです。
出典:http://www.excite.co.jp/News/column_g/20150626/Sirabee_37238.html
パッと見ると、「あぁ、1ヶ月で交換する人が一番多いんだなー」と感じるところだと思うんですが
わたしはそれよりも2ヶ月以上同じ歯ブラシを使っている人が全体の半分近く(46.9%)もいるということにビックリしたのです。
なんと半年以上の人も13.4%もいて、驚愕するばかりです… (>ω<)
はっきり言って「だから虫歯も歯周病も口臭もなくならないんだなあ」と、歯科医院に来られる患者さんを思い出し、妙に納得したりもしてしまいました。
今回はこの調査結果を受けて、歯ブラシの望ましい交換時期や保管の方法についてお話ししたいと思います。
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目次
歯ブラシは最低でも月1で交換を
3週間使用した歯ブラシの毛には、100万個以上の細菌が繁殖していると言われています。 これはトイレの水に含まれる細菌数の約80倍とも言われる多さです。
【歯ブラシの毛先の拡大写真】
※絡みついているのは歯垢(=細菌)です。
また、細菌の繁殖による不衛生だけでなく、同じ歯ブラシを長期間使うことにはもうひとつ大きなデメリットがあります。
それは、そもそも「汚れを落とせない」ということです。
上のイメージは新しい歯ブラシの歯垢除去率を100としたときの、毛先が広がった歯ブラシの相対的な歯垢除去率を示したものです。
毛先が開いてくると、どんなにていねいに磨いても新しい歯ブラシで磨いた時の60〜80%程度しか歯垢を落とせないのです。
これでは何のために歯みがきをしているのか分からなくなってしまいますよね。。。
たとえ毛先が開いていなくても…
歯科医院で売られていて、わたしも強くおすすめしている以下の歯ブラシ「タフト24」は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)という毛を使用しており、普通の歯ブラシで使われているナイロン製のものと比べて4.2倍長持ちします。
ですが、だからといって4倍長い期間使っていい、というわけではありません。
使用する1ヶ月の間、歯垢除去能力が落ちにくいという良さがポイントなのであって、毛先が広がるまで長い期間使ってしまってはこの歯ブラシの良さが台無しになってしまいます。
虫歯・歯周病・口臭を防ぐため「歯ブラシは1ヶ月で交換する」
ぜひこれを実行してくださいね。
乾燥させることがとても大事
細菌の繁殖を防ぐためには、歯ブラシをしっかり乾燥させることがとっても大事です。
なぜなら、細菌は湿った環境が大好きだからです。
みなさんも経験があるのではないでしょうか。
半乾きのタオルは独特のニオイがしますよね。あれはタオルが乾ききらずに湿った状態で一定の時間がたってしまって、雑菌が繁殖したことによるニオイなのです。
歯ブラシも同じです。
菌の繁殖を防ぐため、使い終わったら指で汚れを落とし、流水で洗ったあとはしっかり水切りをしてください。(ティッシュペーパーでかるく水分を拭き取ってもOKです)
高級歯ブラシは要注意
豚の毛や馬の毛を使った歯ブラシが「高級歯ブラシ」として売られていたりしますが、あれは買ってはいけません。
豚毛や馬毛を使用した歯ブラシは乾燥に時間がかかり、雑菌の繁殖がすすんでしまいます。
保管の方法
水洗いした歯ブラシは、よく水を切って風通しのよい場所でヘッドを上にして保管します。
この際、コップなどで複数の歯ブラシを保管する場合は、毛先同士が触れ合わないように注意してください!(細菌が伝染ってしまいます。)
乾燥した歯ブラシを使うために
歯ブラシは、いつも完全に乾燥した歯ブラシを使うのが理想です。
そのためには、歯ブラシを2本準備して順番に使ったり、日光によく当てて乾燥させる方法も効果があります。
(近ごろは「歯ブラシ除菌器」なども売られていますが、歯科医に聞くと「そこまでは必須ではない」という答えでした。お金も場所も取りますから、まずはできるだけ乾燥させるようにする、という意識で取り扱っていただければ十分だと思います。)
ユニットバスは気をつけて!
一人暮らしの方などはユニットバスのお部屋に住んでいる方も多いと思います。
ユニットバスはトイレとお風呂が一緒になっていますから、雑菌が飛び散ります。
そんな場所に歯ブラシを置いて保管していると雑菌の温床となって、感染症の原因にもなる可能性がありますので、これは絶対に避けてくださいね。
携帯用歯ブラシはとくによく水を切る
旅行などの際は携帯用の歯ブラシを持っていくことが多いですよね。
その際にもぜひ注意していただきたいのが、乾燥(水切り)です。
とくに携帯用歯ブラシにはキャップなどが付属している場合が多いですから、いつもどおりに水を切っただけでは、キャップの中がしめったままになってしまい雑菌が繁殖します。
キャップをする前にティッシュでかるくヘッドを拭いて水気を取るなどして、湿気には十分に注意してください。
まとめ
ここまでお話ししてきたように、歯ブラシを使う上で大事なポイントは2つです。
- 1ヶ月で交換する
- 乾燥させる
フロス、歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどで十分にケアしていても、肝心の歯ブラシが細菌だらけでは意味がありません。
むずかしいことではありませんので、今日から、ぜひこの2点を意識していただければと思います(^^)
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