こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
あなたは自分の集中力に自信はありますか?
今日ご紹介する本によると
現代の平均的なビジネスパーソンは、1時間に30回もメールチェックをしているという報告があるらしく
さらにマイクロソフト社のレポートによると、
現代人が連続して集中できる時間は、2000年では12秒でしたが、2015年にはとうとう8秒になってしまったそうです。
さらに面白いことに、どうやって調べたのか、金魚の集中力は9秒続くらしいので、人間の集中力はついに金魚以下になってしまった
と報告されているそうなのです。
12秒なのか8秒なのかはともかく、わたしたち自身の肌感覚としても、メールやSNSなどの発達で以前よりも集中することが難しくなっていることは、みなさん感じているのではないでしょうか。
今回は、そんな「集中」することが難しい時代に、どうやって集中を持続させればいいのかを石川善樹さんの「仕事はうかつに始めるな」から学んでいきたいと思います。
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構成
まず、この「仕事はうかつに始めるな」の大まかな話の流れをつかんでおきたいと思います。
この本で「集中」について書かれた部分の構成をわたしなりにまとめると、以下の3つに分けることができます。
- 集中するための基本とは
- 集中状態に入るための2つのステップ
- 集中を継続させるためのコツ
それぞれ、「なるほど」と思える部分がたくさんありましたので、それぞれ分解してまとめてみますね。
集中するための基本
とくに目新しいものではありませんが、集中する上で基本となる態度について以下のとおり3つ紹介されています。
- 気を散らせるものを遠ざける
- イヤイヤ始めない
- 終わりの時間を決める
わたしがこの中で特に気をつけたいと感じた項目は、3つ目の「終わりの時間を決める」です。
著者である石川さんは、アメリカ人の友人から「日本人は時間にルーズだよね」と言われたことがあるそうです。
一瞬、「え?」と感じませんか?
日本人って時間にきっちりしてる民族という認識がありますよね。電車も分単位で時間ピッタリに運行されていますし…
ですがこのアメリカの方が言いたいことは、そういうことじゃないのです。
たしかに日本人は、始まる時間は守る。
でも、「仕事を終える時間」についてはルーズ
である、ということなのです。
たしかに…そうかも。と感じますよね。
相手の時間を奪う「遅刻」については、わたしたちは意識的ですが、同じように時間を奪う「終わりの時間を決めずにズルズルやる」ことについては、比較的無頓着な部分があるのではないでしょうか。
集中状態に入るための2ステップ
スポーツが好きな方などは「フロー」「ゾーン」といった言葉を聞いたことのある方もいるかもしれません。
これらの言葉は、いわゆる集中が高いレベルにある状態のことをいいます。
この「フロー」「ゾーン」はどんなときに生じるのか、近年の心理学の研究から明らかになってきたのは
行為そのものに没頭しながら、リラックスもしている状態。(中略)つまり、超集中しながら超リラックスしている
状態のときに生じるということなのです。
野球選手が「ボールが止まって見えた」なんて話すときの状態ですから、なかなか私たち一般人がたどりつける境地ではないような気がしてしまうのですが
じつはこのフローの状態に入るためのステップがあると石川さんは言います。
そのステップは以下の2つです。
1.強いストレスを感じる
↓
2.一気にリラックスする
このように、「超集中=フロー」の状態に入るためにはストレスとリラックスの2つが必ず必要になってくるのです。
一見、ストレスとリラックスは真逆の概念で、共存することはないのではないかと感じますが、そうではないというのです。
たとえば、
なにかの締め切り前に、「このままではヤバイ!」と強いストレスがかかる。でもそのままでは慌てふためくだけで、目の前の作業に没頭することはできませんよね。
そこで、
「まあ、別に間に合わなくても死ぬわけじゃないし」というある種のあきらめを伴ったリラックスを経て作業を始めると
「すーっ」と仕事にのめり込めたりする。
こんな経験をしたことはないでしょうか。
まさにこれがフロー状態に入るためのステップで、これをうまくコントロールできるようになれば、意識的に自分を「フロー」「ゾーン」状態にもっていくことができるということです。
ここで言う「ストレス」とは、「強い感情」のことをいい、それはポジティブでもネガティブでもどちらでもかまわない、というのがポイントです。
さらに「リラックス」については「呼吸」がポイントになります。
まとめると、
「強い感情」をともなったストレスがかかる場面に出くわしたときに、深呼吸などで呼吸を整えリラックスして事にあたることで、超集中の状態に入ることができるということです。
集中(フロー)を継続させるコツ
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さいごに、その集中状態を長く継続させるための方法についても紹介します。
ここでいう「長く」とは、一回の集中を5時間も10時間も継続させるということではなく、
数ヶ月、数年にわたって維持することを指します。
そのために重要なポイントは
「大きな夢」ではなく「小さな目標」をたてるということです。
著者の石川さんは、元プロ陸上選手の為末大さんと共同で研究を行い、以下の問いをたてました。
- 長く活躍した選手は、短命に終わった選手と比べて、目標設定に違いがあったか?
- 限界にぶつかったとき、それを乗り越えた選手はどのような目標設定をしたのか?
この問いに対する結論は、「小さな目標のたて方に違いがあった」ということでした。
どういうことかというと、
人は何かを始める時、最初は興味本位であったり、遊び感覚であったりと「内的な動機」で始めることが多い。
それが少しずつ上達したり慣れてきたりすると、「1位になりたい」「稼ぎたい」といったように「外的な動機」に突き動かされるようになる。
ただ、外的な動機を満たすために努力したり改善を続けても、やがてそれには限界が来るのだそうです。
ここで次の目標を「どう立てられるか」がキモになるということです。
長く活躍できる人というのは、この「外的動機」の段階を経て、ふたたび「内的動機」にかかわる目標をたてていることがわかったのです。
ちょっと抽象的になってので、具体的な例をあげてみたいと思います。
ブログ運営に例えると…
まず、「何かを発信したい」「表現したい」という内的動機でブログを始める段階が最初にあります。
この段階での小さな目標は、たとえば「毎日更新」とか「1000文字以上書く」といったことになりますよね。
それを続けていくと、つぎに外的動機に突き動かさせるステージにすすみます。
ここでは、たとえば「たくさんのアクセスが欲しい」ですとか「収益をあげたい」といったことがあげられると思います。
ここまでは、比較的誰もが到達するステージなのですが、さらに上のステージにすすむ人は何が違うのか、というのが先ほどの為末さんとの研究のポイントで
その結論は「ふたたび内的動機にかえれるかどうか」でした。
つまりブログ運営でいえば「誰かの役に立ちたい」とか「喜んでもらいたい」といった内的な動機に自分をもっていけるかどうかがポイントになるといえると思います。
まとめ
こんなふうに、この「仕事はうかつに始めるな」に書かれた方法論はあらゆる物事に応用させることができます。
集中の高い状態、「フロー」や「ゾーン」に入り、高いパフォーマンスをあげるための考え方のヒントもたくさんつまっています。
興味のある方はぜひ読んでみていただければと思います。(^^)
【本職は歯科衛生士やってます☆】
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