※この記事は平成30年7月29日に更新しています。
こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
何年か前から「電動歯ブラシの進化がすごいことになってきたなぁ」とひしひし感じています。
ふだん歯科医院で働いていて、これまでどんなに指導させていただいても
- 磨き残しが多かったり
- 逆に歯の一部を磨きすぎていたり
していた患者さんの歯が、
ある日を境にキレイに磨けるようになっているという状況を何度か経験しました。
聞くと「電動歯ブラシを使うようになった」ということなのです。
あなたも「最近の電動歯ブラシはスゴイ!」というような話を耳にすることがあるかもしれませんね。
でも、
じっさいどの電動歯ブラシがいいんだろう?
予備知識もなく、ただ店頭やネットで商品をチェックするだけでは、いまいちピンとこない、という方も多いとおもいます。
また、やれ振動回数がどれくらいだ、音波か超音波か、などと
細かなスペックや売り文句では、選ぶ決め手に欠けると感じませんか?
歯科衛生士として断言しますが、
スペックや性能など、歯ブラシ本体の「能力」だけで電動歯ブラシを選んでしまうと失敗する可能性が高いです。
では、どんな視点で選べばいいのか。
今回は、歯科衛生士のわたしが、自分の父と母に薦める電動歯ブラシを選ぶために、サンプルや実際の商品を本気で使ってみた結果、
「人にオススメするならコレ!」と自信をもって紹介できる電動歯ブラシについてお話ししてみたいと思います。
目次
おすすめのメーカーは?
電動歯ブラシ業界はほとんど以下の3つのメーカーの独壇場といっていいでしょう。
- フィリップス社「ソニッケアー」
- ブラウン社「オーラルB」
- パナソニック社「ドルツ」
結論から言うと、いわゆるこの電動歯ブラシのラインナップの中で、わたしがもっともおすすめするのがパナソニックのドルツです。
これには当然、理由があります。
じつは性能面でみると各社それぞれに強みがあって、
必ずしも「このメーカーのものが優れている」と断言できるものはないのが現実です。
たとえばフィリップス社のソニッケアー。
「電動歯ブラシといえばコレ!」というイメージもあるくらい有名な商品で、もちろん性能も素晴らしいです。
外国(オランダ)のメーカーのもので、音波による力強い振動と水流で汚れを落とせます。
また、付属品などもオシャレな印象があり、企業のイメージ戦略も優れていると感じます。
つぎにブラウン社のオーラルB。
オーラルBをつくっている会社(ブラウン社)は、ドイツのメーカーです。
こちらは回転式のブラシで物理的に歯垢を落とすしくみの商品で、
磨いたあとの「磨いた感」がすばらしく、しっかり手で歯みがきをしたときと同様の満足感を得られます。(もちろん「磨いた感」だけでなく、じっさいによく磨けます。)
また、フィリップス社のソニッケアーに比べると本体価格も良心的である点も評価のポイントです。
このように、
はっきり言って上記2つの電動歯ブラシもとてもよくできた商品であり、性能自体にまちがいはありません。
では、なぜわたしはパナソニックのドルツをおすすめするのか。
以下にその理由をあげていきたいと思います。
ドルツをおすすめする理由
さきほど、ソニッケアーもオーラルBも性能的にはどちらもとても優れた商品だとお話しました。
それはもちろんドルツについても同様です。
数年前までのドルツは磨きの力強さが「やや弱いかな」という面がありましたが、
いまの商品ではその点も解消されています。
ドルツもソニッケアーと同じく「音波」による電動歯ブラシで、細かな振動により歯垢(プラーク)をとてもキレイに落としてくれます。
こういう現状になると、じっさいに買って選ぶ立場として大事になってくるのが「判断のポイント」です。
どれも汚れはよく落とせる。
じゃあ、そのほかに大事なことってなんだろう
ということです。
ココを、よくよく考えてみてほしいのです。
電動歯ブラシ選びにおいて「汚れを落とす」こと以外で大事なこと。
それは、次の3つです。
- サイズ感
- 長く使い続けることができるか
- ブラシの種類
では、上記の3つそれぞれについて詳しくお話しさせていただきますね。
1.日本人にピッタリのサイズ感
まず、ドルツが優れているのがこの「サイズ感」です。
一言でいえば、ヘッドが小さく小回りが利きます。
このブログは日本語で書いていますので基本的に読者の方は日本人だと想定して書かせていただきますが、
日本人は海外の方に比べると、比較的小柄です。それは口や歯についても同様です。
その点を考えたとき、海外メーカーの商品である「ソニッケアー」や「オーラルB」では、ヘッドがゴツかったり、大きすぎたりするんです。
(コンパクトサイズもありますが、それでもじゅうぶん大きいです。はじめて使ったときは、正直びっくりしました。。)
(ソニッケアー)
(オーラルB)
(ドルツ)
大きすぎるブラシは効率が悪い
この「ヘッドの大きさ」というのは本当にたいせつで、
これによって磨きやすさ、磨き残しの程度に大きな違いがでてくるんですよ。
どんなに音波や回転が優れていても、汚れ(歯垢)は1本1本の歯それぞれに付着しているわけですから、
一気に、根こそぎ除去しようという方法には無理があります。
日本のメーカだからということもあるのでしょうが、やはりこの点で
パナソニックのドルツのヘッドはほかの2つに比べて格段に使い勝手がよいです。
2.替えブラシが圧倒的に安い
つぎに電動歯ブラシを使う上で大事なポイントは
この先、長く使い続けられるか
という使用の継続性があげられます。
もしかしたら、すでにソニッケアーやオーラルBの電動歯ブラシを使用したことがある方はご存知かもしれませんが
これらの替えブラシは値段が非常に高いです。
たとえばソニッケアーを例にとると、替えブラシ1本で約1,000円します。(2018年7月現在)
フィリップス社はブラシの交換目安として約3ヶ月といっていますから、替えブラシだけで年間4,000円です。
電動歯ブラシは手みがき用の歯ブラシに比べて、もちろん本体価格は高いですが、
本体の価格については、買う段階で覚悟を決めて買うのでそれほど問題にはならないと思います。
問題はランニングコストなのです。
電動歯ブラシ選びのポイントは「ランニングコスト」
本体を買うときにはそれほど意識しないものですが、電動歯ブラシは
「買って終わり」ではありません。
一定期間で替えブラシを買い続けなければいけないのです。
その替えブラシ代として、数カ月おきに出費がかさむことは、実はじわじわとダメージがあります。
すると、人はどうなると思いますか?
替えブラシ高いし…ブラシ古くなってきたけど、もうちょっと使っちゃおう
という感情がうまれ、適正な期間を過ぎたあとも、古いブラシを使ってしまいがちになってしまうんです。
実はこれが最もやってはいけないことなのです。
替えブラシ代をケチると、電動歯ブラシの効果は台無しになる
ブラシの摩耗は歯みがきにとっては天敵です。
なぜなら、摩耗した歯ブラシでは、汚れをじゅうぶんに落とせないからです。
なのですが…
替えブラシの値段が高いと、どうしても人情として「もうちょっと使えるかな」と思ってしまいますよね。
そして毛先が開ききるギリギリまで古いブラシをつかう。
でも実は汚れは落とせていない。
この悪循環にはまってしまうケースがとても多く見受けられます。
そこで「ドルツ」の替えブラシですが、
こちらは500円程度でソニッケアーの半分ぐらいで購入できます。
これは使い始めてみないとなかなか実感しずらいポイントなのですが、
電動歯ブラシの歯垢除去効果をじゅうぶんに得ながら継続して使うためには、
替えブラシの値段はとっても、とっても重要です。
これは、ぜひ覚えておいてくださいね。
3.ワンタフトブラシが選べる
手みがきの歯ブラシを紹介する際にもなんどもお話していますが、
このワンタフトブラシの効果はほんとうに素晴らしいのでなんどでもお話ししちゃいます。
そして、ドルツの替えブラシにはワンタフトブラシが用意されているんです。
ドルツでは「ポイント磨き」タイプとよばれています。
このポイント磨きブラシ(ワンタフトブラシ)がどれだけ優れものかは、ぜひ以下の記事を御覧いただきたいのですが
【関連記事】【歯科衛生士おすすめワンタフトブラシ】の効果でツルツルの歯に!
このワンタフトブラシのすばらしさは手による歯みがきだけでなく、
電動歯ブラシにおいてもまったく同じです。
そもそも歯ブラシの目的とは、歯についた歯垢を除去することです。
誰でも落としやすい歯垢については問題ありませんから、
重要なのは落としにくい場所についた歯垢をいかに落とすか、 なわけです。
電動歯ブラシがそのお手伝いはしてくれますが、カンペキではありません。
電動歯ブラシでも磨きにくい部分がある
そこで、その磨きにくいポイント
- 歯と歯の間
- 歯と歯ぐきの間
- 奥歯の溝
などについてはワンタフトブラシによるケアがとても効果的なんです。
【関連記事】【磨いてるつもり?】歯みがきで磨き残しの多い場所とその磨き方をくわしく説明します
こういった優れたブラシである「ワンタフトブラシ」を選べるのは、今のところドルツともう一社、GC社のプリニアという商品だけです。
(じっさいは、プリニアも製造はドルツと同じパナソニックが作っていますので、実質的にパナソニック一択となっています。)
これがドルツをおすすめする3つめの理由です。
まとめ
以上、3つのポイントにわけて、わたしがパナソニックのドルツをおすすめする理由をお話しました。
さいごは、
ドルツの電動歯ブラシの中でどれを選べばいいか
についても、簡単にお話させていただきます。
2018年7月現在、最上位機種はこちらの「EW-DP51」シリーズです。
とにかく、この機種から加わった「W音波振動」が以前までのドルツとは一線を画す磨き心地です。
先ほども書きましたが、
以前までのドルツは他社に比べて、振動が若干弱いかな…という弱点があったのですが、
この「W音波振動」で、その弱点も見事に克服しています。
ただ振動が強いだけでなく、
- ヨコ振動
- タタキ振動
が組み合わされた細かな動きが、歯を包み込むような柔らかさを感じさせつつ、歯垢をしっかり落としてくれるんです。
誰もが実感することなので、この言葉はどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが
それでも人間、やっぱり言いたくなってしまいます。
電動歯ブラシドルツを使うと
本当に歯がツルッツルになる (*^^*)
電動歯ブラシを使おうかどうか検討している方には、ぜひこの感動を味わってほしいです。
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冒頭でもお話ししましたが、
電動歯ブラシの性能自体は、大手のメーカーのものであれば、それぞれ特徴は違いますがどれもすばらしいものです。
ですが、もしわたしが誰かに「おすすめは?」と聞かれた場合には、
歯垢除去の性能にプラスアルファして、先ほどあげた3つの理由
- コンパクトなサイズ
- 継続して使える替えブラシ
- ワンタフトブラシが使える
から、間違いなくパナソニックのドルツをおすすめします。
電動歯ブラシにおすすめ歯みがき粉はホワイトニング用
ここからは、いざ電動歯ブラシを購入したあと、
どんな歯みがき粉を使ったらいいのか
という疑問について、そのポイントをお話ししたいと思います。
電動歯ブラシのドルツは、何度もお話ししますが、汚れを落とす効果がすごく高いです。
W音波振動で歯垢をほんとうにしっかり落としてくれるんです。
ただ逆に言うと、使う歯みがき粉を間違えると、歯を傷つけてしまう可能性があることに注意が必要です。
そこで気をつけていただきたい点はひとつ。
研磨剤が入った歯みがき粉は使わない!ということです。
市販の歯みがき粉のほとんどには、汚れを落とすことを目的に研磨剤が含まれています。
手磨きであればまだしも、電動歯ブラシに研磨剤入り歯みがき粉は、歯を傷つける原因になります。
そこで、わたしが電動歯ブラシにおすすめしている歯みがき粉は「プレミアムブラントゥース」という、ホワイトニングができる歯みがき粉です。
通常、ホワイトニング用の歯みがき粉というのは、着色を落とすために研磨剤が含まれているのですが、
このプレミアムブラントゥースはボタニカル(植物)の力で、
研磨剤無しで歯を白くすることができて、とてもおすすめです。
じっさいに、紅茶が好きで着色してきた夫にプレミアムブラントゥースをすすめて、
はじめは「着色なんてしてないから大丈夫」と言って乗り気でなかった夫も、今ではその効果を実感して必需品です (*^^*)
歯の黄ばみやくすみなどの着色って、徐々に進行するので本人的にも気が付かないことが多いんですよね。
じっさいに歯が白くなると、いかに今まで汚れていたかが分かって、もうもとには戻れなくなります。
電動歯ブラシは、その振動だけでも歯垢はじゅうぶん落とせますから、
歯みがき粉は研磨剤を不使用のホワイトニング効果のあるものを使うのがベストの組み合わせになります。
プレミアムブラントゥースについては、以下の記事でくわしく説明していますので、興味のある方はご覧になってみてくださいね。
【関連記事】
歯の黄ばみを白くする|歯科衛生士おすすめホワイトニング歯磨き粉