こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
「もうダメかもしれない…」
どんな人でも、人生に2度や3度はそんな困難な状況に直面する(した)ことがあると思います。
そこで逃げるのも立派な手の一つです。
もちろん、困難に立ち向かい乗り越えようと前を向くことも、尊い姿勢だと思います。
どちらにしても、その選択に「唯一の正解」はない、ということが難しいところです。
そしてもっとも心に負荷がかかるのは、その選択の際、否が応でも自分の内面と深く向き合わざるを得ないという点だと思います。
今回ご紹介する本「ペンタゴン式ハードワークでも折れない心のつくり方」は、人生における困難に直面した時、それを乗り越えるための方法論について書かれています。
驚くほど有用な本でした。
著者はアメリカ国防総省「ペンタゴン」キャリアで、空軍少佐である情報線のエキスパートなのですが
わたしが読んで感じたことは、この本は実際に困難に直面してから慌てて読み始めるものではなく、平時の何もない時にこそ読んでおき、いざ困難に直面したときに自然にこの方法論を適用できる状態にしておくことがもっとも大切だ、ということです。
この本で紹介されている「折れない心」をつくる5つのステップは以下のとおりです。
- 折れない心のメカニズムを知る
- 逆境や困難に強くなる心のキャパシティを増やす
- 逆境や困難を受け入れ、いかなる場面にも準備可能な自分をつくる
- 目の前の逆境や困難に対処するためのスキルを磨く
- 起こってしまったつらい出来事から回復するための力を培う
今回は1の「折れない心のメカニズムを知る」のうち、特にわたしの心に残った以下の2つのトピック
- 困難に直面した際に抱きがちな「恐れ」の種類を知る
- 自分が恐れに支配されたときに陥りがちな「反応」を知る
について、ご紹介したいと思います。
目次
人を支配する典型的な6つの恐れ
心が折れてしまう主な要因のひとつに「恐れ」があると著者はいいます。
恐れはさまざまな形でわたしたちの精神・行動に影響を及ぼしますが、じつはこの「恐れ」には6つの代表的なパターンがあるのです。
「恐れ」のパターンを知ることで、わたしたちがじっさいに困難に直面したときにも、いま自分が陥っているのはどの種類の恐れなのかを冷静に分析することで、混乱を避けることができます。
1.人と違うことへの恐れ
自分の考えや思想が、慣れた環境や所属する世界の常識などからはみ出たものであるとき、わたしたち人間は恐れを抱きます。
期待に応えようとするまじめな人や世間体を気にする人に多くみられる恐れです。
2.何かを失うこと、変えることへの恐れ
自発的であるかそうでないかを問わず、わたしたちは何かを変えなければいけないような転機を迎えたとき、その変化に恐れを感じるケースが多いです。
3.失敗することへの恐れ
文字通り、行動よりも「失敗するのではないか」という気持ちが先立ってしまう状態です。完璧主義の人に多い恐れです。
4.拒絶されることへの恐れ
人間には「承認欲求」「帰属欲求」があり、人や組織から必要とされないという状況に対する恐れを本能的にもっています。
人から嫌われたくないという気持ちが強い人が陥りやすい恐れです。
5.将来への恐れ
収入や健康など、将来に対する不安をもつのも人間の性質です。
その際、不安を解決するための対処法に目がいかずに心配や不安が先立ってしまうときに生じる恐れです。
6.自分の能力(資質)に関する恐れ
自分の能力に自信がなかったり、プライドを傷つけられたりすることに恐れを抱くケースも多いです。
また、自分の容姿や年齢、体力などに自信がもてない場合にもあらわれやすい恐れです。
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ここにあげた6つの恐れに打ち克つためにたいせつなことは、
いま自分が感じている恐れの「根拠」はどこにあるのかを冷静に見極めることだということです。
恐れや不安という感情は、一言でいえば「気分」であり、漠然とした感情です。
漠然とした感情に対処するために有効なのは、その感情をもたらす「原因」を見極めることだと著者は言います。
原因が見極められたら心は落ち着きを取り戻し始め、あとはその原因を取り除く作業に取りかかれば良いだけだということなんですね。
恐れに支配されたときに陥る「反応」を知る
先ほどの6つの恐れのうち、自分がどんなパターンの恐れに支配されやすいのか、すぐにピンとくるものはありましたか。
著者曰く、
人は同じパターンの恐れに支配されやすい傾向にあると言います。
そしてその恐れに支配されたとき、あなたがどんな「反応」をするかについても、一定の傾向があるのだというのです。
たとえばある人は、恐れに支配されると攻撃的になる傾向があるとします。
攻撃的な姿だけを目にすると、はた目からは恐れに支配されている(=心が折れている)とは認識しづらいですが、この「攻撃的になる」という反応も立派に「恐れに支配されている」シグナルなのです。
ということは、自分が恐れを抱いたときにとりがちな反応を理解していれば、その恐れにうまく対処することも可能になるということです。
人間が陥りがちな「恐れに対する代表的な反応」は以下の4つです。
1.萎縮
恐れが心を支配し、心が折れた状態になることで「萎縮」してしまうケースです。
「本来の自分を発揮できない」「消極的になる」こんな状態に思い当たるかたは、この萎縮パターンかもしれません。
2.怒り
先ほど例にあげた「攻撃的になる」のがこのパターンです。いわゆる「逆ギレ」などもこの一種ですね。
3.あきらめ
恐れを抱いたときの反応として多いのがこの「あきらめ」です。
恐れに打ち勝とうと奮起するよりも、自分から引いてあきらめることで自分を保とうとする姿勢です。
あきらめの行動は癖になるので、いつまでもそれ以上の強さを得ることができないことが問題です。
4.無視
「見て見ぬふりをする」ケースですね。
恐れから目を背けていては、その場しのぎをくり返すのみで前へすすむことができません。
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以上の4つのうち、あなたが恐れに支配されたときに陥りやすいと感じる反応はどれですか?
わたし自身についていえば、「萎縮」のパターンがとても身に覚えのある反応です ^^;
ですがこの本を読んだことで、
「わたしは「萎縮」のパターンに陥りがちなんだな」と理解できたことにより
じっさいに恐れに支配されそうになったとき
「ああ、いま自分は「萎縮」のパターンに陥っているんだなー」と冷静に状況を判断することができるようになりました。
すると、やみくもに不安になったり心を乱したりすることが少なくなるんです。
これは自分にとって、とっても大きな変化です。
今回は
- 困難に直面した際に抱きがちな「恐れ」の種類を知る
- 自分が恐れに支配されたときに陥りがちな「反応」を知る
の2つのトピックについてご紹介しましたが、この「ペンタゴン式ハードワークでも折れない心のつくり方」には、冒頭でもお話しした5つのステップ
- 折れない心のメカニズムを知る
- 逆境や困難に強くなる心のキャパシティを増やす
- 逆境や困難を受け入れ、いかなる場面にも準備可能な自分をつくる
- 目の前の逆境や困難に対処するためのスキルを磨く
- 起こってしまったつらい出来事から回復するための力を培う
について、くわしく、それでいて分かりやすく書かれています。
「メンタルが弱い方だ」
「小さな出来事一つで心が折れてしまいやすい」
そうお感じの方はぜひこの本を読んでみてください。
今後の人生を生き抜くヒントが満載でおすすめです。(少なくともわたしにとっては満載でした!)
【本業は歯科衛生士やってます☆】
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