こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
食事会や飲み会で帰りが遅くなった夜、「もうめんどくさい!」ってなって歯みがきをせずに寝てしまったことがある人は、けっこういるのではないでしょうか。
わたしも、歯科衛生士になった今でこそそんなことは絶対にしませんが、学生時代はそんなこともありました。
そんな日の、翌日の朝のことを思い出してください。
前日の夜のたのしさや疲れが入り混じった起き抜けのダルさとともに、口の不快感を感じていませんでしたか?
ネバネバしたような、ヌルヌルしたような不快な状態。。。
自分でも臭うキツイ口臭を感じたことがある方もいるかもしれません。
今回はこの口の中の「ネバネバ」「ヌルヌル」の正体についてお話ししたいと思います。
バイオフィルム
ずばり、この口の中の「ネバネバ」「ヌルヌル」の正体はバイオフィルムです。
バイオフィルムとは
粘り気のある細菌膜で、その膜の中に複数の種類の細菌が共存して複合体を形成し、固体の表面に付着した状態のもののことを言います。
言葉にするとイメージがしにくいですが、このバイオフィルムはわたしたちが普段生活するいたるところに存在しています。
たとえば台所やお風呂場の排水溝。
すこしお掃除をサボると、台所の排水溝はすぐにヌルヌルしてきますし、お風呂の湯船についた汚れも同じ状態になります。
このバイオフィルムのやっかいなところは、水で流しただけではとれず、こすり洗いが必要になってくるところです。
「こすらず落とせる」みたいなことを売りにしたお風呂そうじの洗剤もありますが、実際使ったらやっぱりこすり洗いなしでは完全にはヌルヌルは落とせないんですよねぇ…。
シャワーの水の勢いをMAXにして落とそうとしても無理ですし。(経験者は語ります ^^;)
歯垢(プラーク)=バイオフィルム
このバイオフィルム、口の中にも歯垢(プラーク)というかたちで形成されます。
冒頭では歯みがきをせずに寝てしまった翌日の口の中を例にあげましたが、仮に歯みがきをしていてもうまく磨けていなければ同じことが起こります。
歯は毎日磨いているから大丈夫、という話ではないのです。
磨き残しのある歯の表面にもバイオフィルムは形成されて、その中に虫歯や歯周病の原因となる菌がたくさん住んでいます。
そんなバイオフィルムを落とすためには、必ずこすり洗いが必要となるので、最近流行りのこんな商品
強力な水流で汚れを落とすことが売りの「ジェットウォッシャー」だけでは、お口の健康は守れないことがわかっていただけると思います。
関連記事:【徹底解説】ジェットウォッシャードルツは買い?|歯科衛生士が冷静にレビューする – ママは歯科衛生士
歯についたバイオフィルムの落とし方
「歯についたバイオフィルム」と書きましたが、つまりこれは歯垢(プラーク)のことですので、その落とし方とは、正しい歯みがきのやり方とイコールです。
まずは丁寧な歯みがきを基本として
1日1回は、歯ブラシでは絶対に落としきれない汚れをデンタルフロスや歯間ブラシを使って落としてください。
昼休みや仕事の合間などにはキシリトール100%ガムを習慣にすることで、歯垢ができにくくなることがわかっています。
さらに、このブログでも何度もおすすめしている「ワンタフトブラシ」を使用することで、歯垢除去の効果がまるで変わってきます。
一見、たくさんの道具を使い分けるって「めんどくさそう」と感じると思いますが、慣れてくればめんどくさいどころか、1本の歯ブラシだけできれいに汚れを落とそうとするよりも短時間で歯みがきを終わらせることができます。
「排水溝」^^; をそうじするためには、これら複数の道具を使い分けることが実はもっとも手軽な方法です。
その効果は、「ネバネバ」「ヌルヌル」とは真逆の「ツルツル」を実感していただくことがどんな言葉よりも確かだと確信しています。
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