こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
今の働き方を、あと何十年も続けるのか
一度でも組織で仕事をしたことがある人なら、だれもの頭をよぎるフレーズだと思います。
わたし自身、歯科衛生士になる前には一般の企業で働いていたことがあり、常態化するサービス残業や上司の思いつきによるムダな作業、ご機嫌を伺うためのパフォーマンスなど
じぶんの命が、中心から疲弊していく感覚を味わったことがあります。
今は歯科衛生士として働きその状態からは抜け出しましたが、多くの方の現状はいまも変わらないと思います。(夫をみていても痛感します……)
そんな中、「モバイルボヘミアン」というライフスタイルを提唱し、実践しているおふたりがいます。
今回紹介する「モバイルボヘミアン」の著書である本田直之さんと四角大輔さんです。
わたしはこの本を一度とおして読み終えたあと、間髪をいれず、最初のページにもどりもう一回読み直しました。
興奮していました。
自分が心のなかで描いている「理想とする生き方」をどうやって実現するのか、その方法をおふたりの実体験を交えてとても誠実に文章化してくれていたからです。
今回はそんな名著「モバイルボヘミアン」についてレビューしたいと思います。
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目次
「モバイルボヘミアン」というライフスタイル
まずはおふたりの言う「モバイルボヘミアン」とは何なのか、について説明します。
数年前に「ノマド」という言葉が流行りましたよね。
これはノマド(遊牧民)になぞらえて「自由に旅をして生き、自由に仕事をする」という生き方をあらわすための言葉でしたが、言葉が広がっていく過程で
ノマドワーカー = カフェで仕事をする人
のように、小さな仕事のテクニック的な概念に陳腐化してしまいました。
そんな中おふたりはノマドというフェーズを終えてモバイルボヘミアンというスタイルに移行しています。
ノマドワーカーが「どこにいても仕事ができる人」であるのに対し、
モバイルボヘミアンはそれに加えて「仕事とプライベートの境がなくなってきている状態」のことを指します。
ここで絶対に外してはいけない大切なポイントは以下のとおりで
よく言われる「趣味を仕事にしよう」とか「好きなことを仕事にしたい」とは少し違う。
そうではなく、「垣根をなくす」という考え方が重要
だということです。
その人の生き方と仕事の境界線が溶けてなくなっていくような感覚です。
本の中では「プロの個人」という象徴的な言葉も登場します。
この15年の時代の変化
本書では、本田さんが仕事で使うデバイスの割合の推移が紹介されています。
2000年から2015年までの「デスクトップ:ノートPC:スマホ」の利用割合は以下のとおりだそうです。
【2000年】 10:0:0
【2005年】 5:5:0
【2010年】 0:7:3
【2015年】 0:2:8
よく、「最近の若い人は電車に乗っていてもスマホ、スマホでけしからん」みたいな事を言う人がいますが、
大事なのは「スマホを触っている」行為ではなく「スマホで何をしているか」ですよね。
たしかにゲームや漫然としたネットサーフィンだけでは、あまり意味のある時間とはいえないかもしれませんが
これまではオフィスに拘束されていなければできなかった仕事が「どこにいてもできる仕事」に変化したことによるスマホの利用であれば、それは「けしからん」行為であるはずがないですよね。
新しい生き方が実践できている、理想的な行為だとも言えるからです。
この10年で働き方が変わっていない人は要注意
わたしが先ほどの本田さんの使用するデバイスの変化を見て感じたことは、
これだけの変化が可能だった10年で、もし仕事のやり方や時間の使い方におおきな変化がなかったというならば、その人はもう「過去の人」になってしまっている可能性があるんだ…ということです。
じっさい、テクノロジーに疎い人ほど機械に「使われて」いる状況をよく目にします。
スマホのフリック入力を駆使して文字を打っている姿を見て、顔をしかめる人がいますが、そうやって機器を使いこなしている人ほど、機器に触れない時間を大切に確保していたりします。
つまり、自分の時間をコントロールできているということです。
わたし自身、もっとも大切な資源「時間」をどう使うかが、これからの時代の生き方で大切なことなんだと理解できました。
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モバイルボヘミアンになるには
「自分のやりたいことを中心に生き、会社や場所に縛られずに、身軽に自由に生きたい」と考えたときに、著者の四角大輔さんが行き着いた答えはコレだったそうです。
高度なモバイル・リテラシーを身につけ、自分を移動させる力(モビリティ)を最大限まで引き上げること
これを実現するために必要なポイントも惜しげもなく披露していくれていますので一部をご紹介しますね。
「ミニマム・ライフコスト」を把握する
組織に依存せず、個人として生きるために最初に必要なことは「お金から自由になる」ことだと四角さんはいいます。
そのためには
本気になってお金と対峙しないといけない
そして
自分の「ミニマム・ライフコスト」を把握する
ことが必要不可欠だということです。
自分の生活はいくら稼げれば成り立つのか、その最低限のラインを家計簿などで把握することでムダな焦りや恐怖から解放され、自由への道を歩き始めることができるという指摘はとても心に響きました。
自分にとってのミニマムを知ることは、お金に限らずモノに関しても同じだとも四角さんは言っています。
ただしこれは清貧のススメ、などではなく
「あなたの人生で本当に必要なことにはお金を投資せよ」
「あなたの人生をつくる重要なモノは必ず手に入れよ」
ということで
不要なことをミニマム化(最小化)することで初めて、大切なことを最大化できる。
ということです。この最大化できることの中に「勇気と行動力」や「人生の自由度」も含まれている、という点が本当に素晴らしいことだと感じます。
人生の「インフラ」となる経験を蓄積する
さあ、モバイルボヘミアンになろう!といって、いますぐネクストステップに進むべきだ、と不必要に煽ることがない点もこの本が信頼に値すると感じる点です。
どんな世界でも通用する最低限の型「ベーシックスキル」は習得しておく方が良い、と四角さんはいいます。
商社マン、公務員、メーカーのセールス、教師、エンジニア、事務職、アルバイト…といった立場に関係なく、まず、あなたが今いる場所で学べる「普遍的な型」を徹底的に身につけることが、新しい世界に踏み出すための基礎体力となるのだ。
そのうえで、なにか1つ、だれから見ても「何者か」として認識してもらえるような専門性を身につけるために、「型」を破り、リスクを負って挑戦をし続けよう。
こうして得たスキルはあらゆる職種・仕事にコンバート(変換)が可能で、その後のわたしたちの人生を支え続けるだろう
と話してくれています。
耳障りのいい言葉だけでなく、今いる場所でのあるべき姿勢をズバリと指摘しているのは、著者の誠実さだとわたしはおもいます。
この他にも…
この本の中では、
- 収入源を1つに依存しない
- 「SNS×マニアックメディア」で発信力を確保する
- 個人ブランドの確立
などについても詳しく文章化されています。
ひとつずつ実践していくことで、自分の未来を自分でデザインするという考え方が腑に落ちます。
興味を持たれた方はぜひお読みいただくことをおすすめします。
さいごに
この「モバイルボヘミアン」の本の後半には、モバイルボヘミアンとして生きるために四角さんが実際に使っている「ギア(道具)」と「テクノロジー(アプリ)」の一覧も紹介されています。
はっきり言って、このリストを知ることができるだけでもこの本を買った価値が十分にある!と感じるほど充実したリストです。
自由な暮らしを実現しているひとが、じっさいに使っている道具とアプリはどんなものなのか。興味ありますよね。
とにかくわたし的には、新しい視点と理想の生き方への道筋を知ることができた、とても大切な一冊になりました。
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