こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
こんなこと、もしもあなたがいま20代や30代であれば、考えたこともないかもしれません。
いえ、40代、下手したら50代であっても、同じようなものかもしれません。
どんなことかというと、
「このままいくと、自分の歯は30年後に何本残っているのだろう」ということです。
いま当たり前にそこにあるものについて、わたしたちはそれがずっと今の状態であり続けるものだと、無意識のうちに思い込んで過ごしています。
でも現実はそうではありませんよね。
シワは増えるし白髪も生えるし目はかすみます。
同じように、あなたの歯も抜けるのです。
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パーセンタイル曲線
赤ちゃんの成長の目安や、子どもの身長・体重の現状の値を相対的に把握するためによく使われる指標に「パーセンタイル曲線」というものがあります。
このパーセンタイル曲線を「歯の数」を指標として使うことで、
- 現在のあなたの歯の本数は相対的に健康かどうか
- このままいくと10年後、20年後にはあなたの歯は何本になっているか
の目安を知ることができてしまうのです。
さっそく、具体的にみていくことにしましょう。
歯の本数を指標としたパーセンタイル曲線は下図のとおりです。
まずは横軸の「年齢」から、ご自分の今の歳の場所を探してください。
そして、今のあなたの歯の本数を縦軸から探し、その交わる点はどこになるか、確定させてください。
この作業をしようとしたとき、「あれ、そう言えば自分の歯って何本あるんだっけ?」と思われた方も意外と多いかもしれませんね。
大人の歯は、親知らずもすべて生え残っていると仮定すると、全部で32本になります。
この32本を基本として、下の歯は親知らずが生えてこなかったから30本だな、親知らずは全部生えたけど歯医者さんで全部抜いちゃったから28本か、というように計算してご自分の歯の数を計算してみてくださいね。
さて、交わる点は確定できたでしょうか。
確定できたら、その点が全部で5本書かれている線のどこにあるか(あるいは、どことどこの間にあるか)を調べてください。
たとえばあなたが今45歳で、残っている歯の数が25本だとします。
すると、ちょうど下から2番めの黒い曲線とぴったり重なります。
その曲線を右に見ていくと「75パーセンタイル」と書かれているのがわかります。
これは、あなたのいま残っている歯の数は75パーセンタイルの位置にあるということを意味しています。
パーセンタイルとは
「世界がもし100人の村だったら」という有名な本がありますが
パーセンタイルとは、全体の数を100と仮定すると、自分は何番目に位置しているかを知ることができる指標です。
つまり、先ほどの歯の本数を調べた際に「75パーセンタイル」と出たということは、あなたは今、同世代の中で100人中75位にいる、ということなのです。
どうですか。あなたは何パーセンタイルでしたか? (^^)
そしてこのパーセンタイル曲線のすごいところは、現在のあなたの立ち位置が把握できるだけでなく、
「このままいくとあなたの歯はどれくらいのペースで抜けていくのか」を統計的に知ることができるという点なのです。
30年後、あなたの歯は何本残っていますか
たとえば先ほどの75パーセンタイルの人を例にとると、
30年後、つまり75歳になったとき何本の歯が残っているかというと、先ほどの下から2番目の曲線をたどっていき、横軸の年齢が75の部分で縦軸の歯の数が何本になっているかと見ればいいのです。
11本ですね。
この数は、「8020運動」といったスローガンで、80歳になっても20本の自分の歯を残しておこうとする目標の数にとても及ばない数字です。
仮にちょうど中間の位置、あなたが50パーセンタイルの状態にあったとしても、80歳になることには14本しか歯が残っていないことになります。
60歳以降、歯は急激に失われる
将来、自分の歯が失われることをあまりリアルに実感できないのは、若いうちは歯を失うことはとても少ないからです。
さきほどのパーセンタイル曲線からもわかるとおり、50代ぐらいまでであれば、多くの方は25本以上歯が残っていますし、残った歯でおいしく食事をすることも可能でしょう。
ですが、歯は60歳を過ぎると、急速に失われていくのです。
それは若いころ、歯みがきやフロスをていねいにしていなかったツケであったり、砂糖を含む甘いものを好きなだけ食べてきた結果だったりします。
普段、歯科衛生士として歯科医院で働いていると、歯を失って、どんどんと覇気がなくなっていく高齢の方をたくさん目にします。
入れ歯やインプラントなど、最新の技術で対応できることも増えてはきましたが、お金もかかるうえ、本物の自分の歯との違いはどうすることもできません。
歯科衛生士として
わたしたち歯科衛生士にとっては、歯の重要性は痛いくらい実感できていることですが、それをどう患者さん(ブログの読者さん)に伝えるかはとても大きな課題だと感じています。
いくら「歯は大事ですよ」「歯を失うことは、人生の質を大きく下げますよ」と語ったところで、本人に実感してもらえなければ、
虫歯ができては治し、またできては治し……
の繰り返しになってしまうのです。
今回のパーセンタイル曲線も、そのひとつのきっかけとなればと思い紹介させていただきました。
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