こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
誰にでも、「この一冊!」といえる、自分にとってかけがえのない、ずっと大切にしたい本があるのではないでしょうか。
それは必ずしも、みんなが名作だと声をそろえるベストセラーである必要はないし、また、他の誰かにとっては ”なんてことのない本” だったりもします。
でも、じぶんにとっては大切な一冊。
今回のご紹介する「結婚のずっと前」は、わたしにとってそんな一冊です。
出会い
そもそもは、
「英語の勉強にもなるけど、それだけじゃない」
「勉強に、と思って読んだら書いてある内容に感情移入してしまい、涙が止まらなかった」
「笑い、ときどき、涙のち元気」
「英語を学ぼうと読んだ本で、人生が豊かになるなんて思いもしなかった」
と話題になっていたこちらの本「犬も歩けば英語にあたる」
を読んで感動し、この作者の他の本も読んでみたい!と思って読んだことがきっかけでした。
著者は「坂之上 洋子」さん
「犬も歩けば英語にあたる」そして今回ご紹介する「結婚のずっと前」の著者は坂之上 洋子さんです。
親しみを込めて「よーこさん」と呼ばれている坂之上さんは、シカゴ、ニューヨーク、北京、東京に住んだ経験があり、
あの「Newsweek」の、「世界が認めた日本女性100人」の一人にも選出されているほどのキャリアをもった女性なのですが、そんなことを感じさせない(失礼! ^^;)ほど
飾らない人柄が文章からまっすぐ伝わってくる、とても魅力的な女性です。
結婚のずっと前
「結婚のずっと前」はそんな国際派の坂之上さんが
「国や文化が違うひとたちでも『結婚について悩んでいること』が案外同じであるときがつき、そんなふうに誰もが悩む、普遍的で、でも意外に知らないことや、知っておくといいだろうなぁと思ったこと」
を一冊にまとめた本です。
と、この本が生まれた経緯は上記のとおりなのですが、じっさいに読むと「結婚」というキーワードにとどまらず、人生を豊かに生きていくための考え方や感じ方のヒントがたっぷり詰まった一冊であることがわかります。
『「結婚のずっと前」以前』と『「結婚のずっと前」以降』
わたしにとって世界は、
- 「結婚のずっと前」を読む前の世界
- 「結婚のずっと前」を読んだあとの世界
できれいに分けることができます。
これは、たとえば同じ出来事を経験したとしても、「結婚のずっと前を読む前のわたし」と「結婚のずっと前を読んだあとのわたし」ではその出来事の受け取り方がぜんぜん違ってくる、ということです。
たとえばこんな文章があります。
何か言われてカチンとくるのは、それが自分の弱い部分だから
弱い部分は
固く強くするんじゃなくて
やわらかくしよう
やわらかければ
あたっても痛くないでしょ?
ある出来事があったとして、これまでの自分であれば「カチン」ときて相手にその感情をぶつけてしまっていたであろうことでも
「あぁ、カチンとくるってことは、(無意識的に)自分でも気にしてた部分ってことなんだな…」
「図星ってことだから、そこを固く防御するんじゃなくて、一度じぶんで認めて、やわらかくしていこう」
なんていうふうに、一呼吸おいて、角度を変えて自分を観察できるようになりました。
また、
ゆるしたことは
忘れてしまうのに
ゆるせなかったことは
いつまでも
心に残って
時々刺さるように
じくじくと痛む
ゆるそう
弱い相手も
弱い自分も
という文章からは、
「許すという行為は、相手のためだけじゃなく、というよりもむしろ自分のためである」
ということを学びました。
許さずにいることで、自分自身が延々とその人に縛られ続けてしまうというジレンマを解き放つことができる、非常に実用的な考え方だなと、目から鱗が落ちたことを覚えています。
男と女について
人生全般についてはもちろん、「結婚のずっと前」というタイトルからもイメージできるとおり、男女のあり方についてもとても深い洞察を与えてくれます。
たとえばこの文章
いい男は 肩書におんぶしていない
ポジティブでものおじせず 常識にとらわれず
でも礼儀正しい
いい女は 色気とか可愛気にたよっていない
ポジティブでものおじせず 常識にとらわれず
でも礼儀正しい
女性目線で男性を見たときに感じる「いい男」の定義をズバッと言い当てていてびっくりしたのと同時に、
女性として、「こうありたい」と思える「いい女像」を定義してくれたおかげで、わたし自身の日々の行動の指針とすることができています。
個人的には、「ものおじせず」の一文にグサッときたことを覚えています。
堂々とすることに遠慮を感じたり、「謙遜すること」が基本姿勢となっていた自分に、
そうじゃないんじゃない?
と、カツをいれてもらった気がします。
おわりに
こんなふうに、「結婚のずっと前」というタイトルからイメージする内容を、はるかに上回る本だと思います。
今回ご紹介した内容は、この本のごくごく一部で、もっともっと紹介したい文章があるのですが
その文章を「どう解釈するか」も含めての読書体験だとおもいますので、さいごにもう一つだけご紹介して終わりにしたいとおもいます。
自分が間違っていたと気がついた時に、
素直にあやまることができる男は強い
相手が間違っていると思ったときでも、
笑って許してあげられる女は強い
こうあってほしいし、こうありたいと思っています。
本業は歯科衛生士やってます(^^)
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