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こんにちは。歯科衛生士のナカタ コマチです。
わたしが働いている歯科医院に定期的にくる患者さんに、歯ブラシの使い方があまり上手ではない方がいらっしゃいました。
その方は、ご自身のお父さまが総入れ歯になって以降、身体の能力がみるみる下がっていく様子を目の当たりにしたということで、歯の重要性に気づき、定期的に検診に来られるようになりました。
そんな方ですので、毎日朝晩の歯みがきとデンタルフロスを使っての口腔ケアと、とても熱心ですばらしいのですが…
残念ながら、手先があまり器用でなく、(ご本人も「不器用ですから。」とおっしゃっていました ^^;)
とくに利き手側の歯と歯の間に、みがき残しが多いのが現状でした。
(一般的な傾向として、みがき残しというのは利き手側に多いのでみなさんも注意してくださいね。)
そこで定期検診に来られた際、とくに磨き残しが多い歯を伝えたうえで、その歯を意識的に磨くため「ワンタフトブラシ」という歯ブラシを使うようアドバイスしました。
ワンタフトブラシとは、ブラシ部分がとても小さい、こんな形をした歯ブラシのことなのですが
http://www.oralcare.co.jp/Product/Detail/?&product_id=000009より
このワンタフトブラシをおすすめした次の定期検診で、とても驚くことがあったんです。
目次
ワンタフトブラシの歯垢除去能力
ワンタフトブラシをオススメした次の定期検診でその方の歯を見ると、とってもキレイに磨けているのです。
これまで磨き残しがとくに多かった利き手側の歯だけでなく、すべての歯の歯垢がこれまでよりも格段にきれいに落ちているのです。
びっくりして聞いてみると、
「狙ったところをピンポイントで磨けて、歯がツルツルになるのが気持ちよくなっちゃって、全部の歯をこれで磨いてるんですよ〜」
とのことなのです。
もちろんワンタフトブラシのピンポイント性は知っていましたし、じっさいわたし自身も前歯の若干歯並びの悪い部分はワンタフトブラシで磨いていたりしたのですが
「すべての歯をワンタフトブラシで磨く」という発想はなかったのです。
それはなぜか?
無意識的に「めっちゃ時間かかるでしょ」と決めつけていたからです。
ですがその患者さんに歯みがきの時間を聞いてみると、
「今までとそんな変わらないですよ。5〜6分かなぁ…」という答えでした。
わたしはびっくりして、しばらく空いた口を閉じるのも忘れていたようにおもいます。(口呼吸には要注意です ^^;)
【関連記事:「口で呼吸」していませんか?【口呼吸の身体への害とその対策】】
ワンタフトブラシとは
ワンタフトブラシとは、先ほども少し紹介しましたが、ブラシの部分の毛束がひとつになっている歯ブラシのことで、
「一本ブラシ」なんて言い方をされることもあります。
一般的には、以下のとおり普通の歯ブラシでは磨きにくい場所をピンポイントで磨くための歯ブラシとして認識されています。
歯垢が残りやすい場所
歯と歯ぐきの境目や、歯と歯の間、奥歯のかみ合わせの面の溝などが代表的です。
http://haisha-yoyaku-blog.jp/one-tuft-brush-6355より
奥歯のむこう側
ここを普通の歯ブラシで磨くのはどんなに意識していても難しいです。ワンタフトブラシの本領発揮です。
http://www.kano-shika.com/column/post-89/より
歯並びが悪い場所
歯並びが悪い部分はどうしても磨き残しが多くなってしまいますが、ワンタフトブラシであれば「狙いうち」ができます。
http://haisha-yoyaku-blog.jp/one-tuft-brush-6355より
上の前歯の裏
舌でさわっていただくとなんとなく感じるとおもいますが、上の前歯の裏側というのは「弧」を描くようにへこんでいて磨きにくい部分なんですが、ワンタフトブラシなら簡単です。
http://haisha-yoyaku-blog.jp/one-tuft-brush-6355より
このほかにも、
- 矯正器具をつけている歯
- 歯周病等によって歯ぐきが下がってしまっている歯
- 生えてきたばかりの歯
などなど、ワンタフトブラシの活躍場所はたくさんあります。
ですが、今回患者さんから気づきを与えていただいたとおり「ワンタフトブラシはピンポイントで使わなくてはいけない」という先入観を取りのぞいてみると
あらためてワンタフトブラシの能力のすごさに気づくことになりました。
口腔ケア先進国スウェーデンではワンタフトブラシをメイン使いしている
そうなんです。
遅ればせながら、患者さんのひとことでワンタフトブラシの「メイン使いとしての有能さ」に気づいたわたしですが、
歯みがきの先進国スウェーデンでは、ワンタフトブラシはすでにメインの歯みがき道具として一般的なのです。
メインとしてワンタフトブラシで口の中をひととおり磨いたあと、最後の仕上げにササッと通常の歯ブラシを使って全体をメンテナンスするのがスウェーデン式です。
磨き残しもこんなに少なくなることがわかります。
※参考資料:「株式会社オーラルケア」【171名(20~80代)の患者さんのPCRの変化】(2009年調べ)
さらに職業病に近い探究心が発動してしまい ^^;、こんな本も見つけてさっそく買って読んでみました。
2,3年前に「スウェーデン式歯みがき」という言葉はよく耳にしましたが、あくまでも「ピンポイントな部分使い」としての歯ブラシだと思っていたので、この本を読んでとても勉強になりました。
そして自分もこの数週間じっさいに使ってみて、ワンタフトブラシはメインで使うべきだと確信しました。
これまでの歯ブラシによる歯みがきとほとんど変わらない時間にもかかわらず、磨いたあとの歯のツルツル度がまったく違うんです!
ちなみにこの本を買うと、付録として実物のワンタフトブラシがついてきますので、ちょっと試してみたいという方にはオススメです。
おすすめのワンタフトブラシ
歯ブラシ同様、ワンタフトブラシもいくつかのメーカーから販売されていますが、以下の理由で「プラウト」がおすすめです。
(わたしの働く歯科医院でも患者さんにすすめているのは、この「プラウト」です。)
耐久性と水はけ
PBT(ポリブチレンテレフタレート)という毛材を使っていて、ふつうのナイロン製のブラシと比べて4.2倍長持ちします。
メーカーサイト:http://www.oralcare.co.jp/Product/Detail/?product_id=000001&pcat=3
また、水はけもいいので新しい歯ブラシの感触が長く続きます。
メーカーサイト:http://www.oralcare.co.jp/Product/Detail/?product_id=000001&pcat=3
毛先の「カット」と毛の「本数」
以下の図からもわかりますが、毛先のカットが均等であることに加えて毛の本数自体が多く密に植毛されているため、歯垢の「毛細管現象」が発生して汚れをよく落とすことができます。
メーカーサイト:http://www.oralcare.co.jp/Product/Detail/?product_id=000001&pcat=3
さいごに
このワンタフトブラシ、紹介してきたとおり毛先がとても小さいので、使う歯みがき粉もそれにふさわしいものを選んでいただくとより効果が実感できます。
具体的には、通常の歯みがき粉のようなペースト状のものではなくジェルタイプのものがおすすめです。
歯科医院でも定番の、このジェルコートFは発泡剤・研磨剤を無配合で歯にやさしいことに加え、フッ素が950ppm含まれていて虫歯予防にとても効果的な歯みがき粉です。
ぜひ、このワンタフトブラシをメイン歯ブラシに格上げしていただき、
普通の歯ブラシはさいごの仕上げにササッと全体をメンテナンスするイメージで使ってみてください。(もちろん、フロスや歯間ブラシでのケアは必須ですよ。)
そして、磨いたあとに舌で自分の歯を触ってみてください。
明らかにいつもより歯がツルツルしているのを実感していただけるはずです。
まるでスケートリンクのように舌が滑ります!(超個人的感想 ^^;)
わたし自身もびっくりしたこの習慣、効果は間違いありませんので激しくおすすめします。ぜひお試しください☆
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